「アフィリエイターは社会的な信用がない」
ツイッターでも、アフィリエイターの方は自虐的にネタにすることがあります。
実際のところ、一部に詐欺との関連性があったり、Web広告によってサイトの検索結果に不満を持つ人が多い現状で、あえて人様に「職業はアフィリエイターです」と自称する人が少ないのも事実。
※アフィリエイターと言っても理解してもらえないから、というのもあります
そのため、そんな”怪しいビジネス”に取り組んでいる「アフィリエイターでも銀行や公庫の融資を受けられるか?」については疑問を持つ人も多いでしょう。
ネットで調べてみても、「アフィリエイターの住宅ローン融資」「専業アフィリエイターのアフィリエイト融資」については書いている人がいましたが、意外と「アフィリエイターの第二創業融資」について書いている人はあまりいませんでした。

そこで今回は、自身がアフィリエイト収益で法人化したことがある元企業オーナーが、アフィリエイターが第二創業(アフィリエイト以外で新たな事業を始める)で融資を受ける場合について、なにか問題があるのか、アフィリエイターは事業融資を受けられるのかについて簡単にご紹介します。
アフィリエイターは事業性融資を受けられるか?
まず、「アフィリエイターは事業性融資を受けられるか?」についてですが、まったく問題なく受けられます。
実際、アフィリエイターでも不動産投資をやっている人はツイッター上でもいっぱいいますよね?
というか、私自身もアフィリエイトで法人化した企業が第二事業として飲食店を開業するとき、公庫で事業性融資の審査に通過しました。
面白かったのは、融資の審査担当者が「アフィリエイト」という言葉を知っていたこと。そのおかげでスムーズに審査を進めることができました。
社会的イメージはともかくとして、融資の審査のときに「アフィリエイトで稼いだお金かどうか?」は、それほど大きくは影響しないようですし、意外と審査担当者も”アフィリエイトそのもの”に悪いイメージを持っていなかったことは収穫でした。
アフィリエイターが融資を受ける場合、特別な問題はあるか?
ただ、アフィリエイトでいくら自己資金を持っていたとしても、やっぱり水ものの商売であることは事実。
社会的イメージのアフィリエイト、というより事業的な意味でのアフィリエイトのデメリットは、やっぱり「事業の安定性が低いこと」。
また、第二創業にあたって「ほかの事業的なノウハウがないこと」なので、私は審査のときにこんなポイントに気を付けました。
注意したポイント
1. その業界で実績のある人をスカウトし、一緒にやっていく
2. 自己資金は普通より多めに
3. 突発的に稼いだ資金よりも継続的に稼いだ費用を見せる
その道のプロを雇って自分はなにをするか?
まず、第二創業にあたって、私自身が飲食業に詳しかったわけではないので、その道のプロをスカウトしました。
アフィリエイターの創業ではこのへんの人材関連がかなり重要なようで、税理士や融資担当者から何度か受けた質問として
「飲食業には誰がかかわるのか?」
「働いてくれる専門家がいるとして、その人がいなくなったらあなたの事業は継続できるのか?」
の2点はめちゃくちゃ聞かれましたね。
考えてみれば、それはそうで、1人がいなくなっただけで事業が成り立たなくなるようだと、お金を貸す側は信用できないわけです。
嫌な言い方をすれば、その道のプロとやらがいなくなったら、ウチの会社は立ち行かなくるかもしれませんから。
ですので、「今は飲食業の知識がなくてもいいので、必ずそのスタッフさんが辞めても事業が継続できる程度の知識や技術は身に着けてください」と言われました。
おかげさまで、事業を譲渡したあとでも私1人で飲食業にかかわる本を執筆できる程度の知識や技術を身につけられたので、あのアドバイスは本当にありがたかったです。
そのほかに聞かれることは?
ちなみに、そのほかに面談時に聞かれたことです。
・どんな事業をやるのか?
・今はどんな仕事をしているのか?
・これまでの略歴は?(学歴や職歴など)
・これまでのキャリアは創業にかかわりがあるか?
・スタッフはどうやって集めるのか?
・事業用賃貸か持ち家か?
・集客や宣伝はどうするか?
・売上イメージはどのぐらいか?
・返済期間や月々の返済額の希望はどのぐらいか?
それほど大変なことは聞かれていませんね。
自己資金は多めに持っておく
また、「アフィリエイトの安定性が低い」ことを指摘されたときのために、十分な自己資金と1年以上継続して稼いできた実績をアピール。
公庫の審査の場合、融資希望額の1/10の自己資金を最低持っている必要がありますが、融資希望額の2倍以上の自己資金を持っていきました。
「マネーイズパワー」です。
というか、事業計画がどうとか以前に自己資金以上の説得力はありません。
当然ですが、審査は担当者が一度も難しい顔をすることなくスムーズに通過しました。
結局のところ、どんな事業をやっていようが
1. 継続的に事業を運営
2. 多くの自己資金を持っている
3. 事業内容をきちんと説明できる
のであれば、たとえアフィリエイターでも融資審査は難しくないということでしょう。
自己資金があるのに融資を受ける必要があるの?
ちなみに、「自己資金があるのに融資を受ける必要があるのか」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
ですが、仮に第二創業のすべての資金を自己資金で賄えるとしても、私は融資を受けることをおすすめします。
まず、融資のお金で開業費用を準備できれば、残りの自己資金で、第二創業が失敗したとき、つぎの展開をすすめたいときに対応が柔軟にできます。
なにより、自己資金が多いほど有利な利率でお金を借りることができるので、利子もたいしたことがないからです。
今後、事業を発展させていくうえでも「お金を借りて、ちゃんと返した実績」は確実に評価されます。次はさらに大きなお金を借りることができるようになるのです。
もしも、アフィリエイターで第二創業を考えている方で、ある程度の安定した実績がある方は、第二創業のときに融資を検討してみてはいかがでしょうか。
融資の申し込みはどうやってやる?
あくまで私の場合はですが、法人化のタイミングで税理士に経理の管理をお願いしたかったので、公庫の創業融資に強い税理士に相談しました。
税理士に依頼するメリット
1. 創業計画書の妥当性を判断してもらえる
2. 公庫の担当者との相談日時や場所を調整してもらえる
3. 返済利率で優遇してもらえる可能性が高い
4. 継続して利用する場合、税理士の顧問料が安くなることもある
5. 成功報酬なので、融資がおりなければ支払いはない
6. 公庫との付き合いがあるので、融資担当者の態度が違う
以上です。最終的な面談などは公庫に出向いてやる必要がありますが、税理士に相談していると、初回面談を税理士立ち合いの環境で、税理士事務所でやることができます。
これだけでも、初めての融資を受ける方には安心できるでしょう。
また、公庫は直接融資を受けに行く場合よりも、商工会議所を通してや、税理士を通して融資の相談を受けたほうが利率で優遇してもらえます。
※ただし、税理士によっては融資に強くない場合もあるので、そこは要検討
必要書類など
あくまで私の場合はですが、下記のような書類が必要でした。
・創業計画書
・創業計画書の費用見積もりの明細書
-画像などがあるとなおスムーズ
・個人 or 法人の預金通帳
・本人確認書類
・ショップカードなど、店舗のイメージがつかめるもの
・履歴事項全部証明書(法人の場合のみ)
・所得税など税金の納付書
・2期分の確定申告書類
・現事業所の賃貸契約書&公共料金の支払い明細書
・最近の売り上げが確認できる書類
・営業許可書など資格関係書類(必要な場合のみ)
こうやって文面にすると大変なことですが、一応、常識的な範囲の書類なので、それほど大変ではありませんでした。
唯一面倒だったのは、創業計画書の費用見積の明細ですね。
融資を受けるタイミングでは、それほど細かく家具類などが決まっていたわけではないので、インターネットでとにかく家具類や備品類を探して画像と値段をプリントアウトしていきました。
ただ、必要な書類は人によって、事業内容によって変わるので、分からない人は実際に担当者などに相談してみるとよいでしょう。
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