最近、「SNSで拡散されてもGoogle AdSenseなどの収益には(直接的には)繋がらないのでは」という記事がにわかに盛り上がりを見せています。
ブログ23日目で収益はどれくらい?ソーシャルに頼ると収益は期待できない。
ソーシャルに頼りすぎ?昨日のアドセンス収益がひどかったので対策を考えてみた
ただし、これらの記事を読んだからと言って「バズは収益にはつながらないんだ」と考えてしまうことは危険です。こういった記事を見る際には、いくつかの注意点があります。今回は、それらの注意点についてお話していきたいと思います。
クリック率とCPCはいくらか?
こういった記事だと合計収益額とアクセス数の面が強調されがちで、他の側面にあまり視点があてられません。
これは決して運営者を批判しているわけではありません。AdSenseの規約で合計収益額以外を公開することは禁止されているため、運営者は収益額とアクセス数ぐらいしか公開できないのです。
ただ、読者がこれらのデータを参考にしたうえで自分のデータを見る時に注意すべき事として、「クリック率とCPC(クリック一回当たりの単価)」はどうなっているかを把握しておく必要があります。
AdSenseの収益が低下したとして、下がったのはクリック率でしょうか。CPCでしょうか。それともどちらの収益も下がったのでしょうか。
これによってある程度、問題が特定できます。たとえば、冒頭でご紹介したブログの中でAdSense収益が低下した原因を以下のように3つ考えられています。
・広告の単価が高いジャンル・キーワードで記事を書いていない?
・3月は「決算期」なので単価が高くなり、その分4月は単価が下がる?
・流入をソーシャルに頼りすぎ?
もし、「3月は“決算期”なので単価が高くなり、その分4月は単価が下がる」といったように、時期的な問題が原因だとすればCPCが低下している可能性が高いでしょう。事実、3月に比べて私もCPCが若干低下しているので、4月は相対的にクリック単価が低いことは原因の1つとして考えられます。
一方、「流入をソーシャルに頼り過ぎ」である場合、つまり読者の層が広告をクリックしない層に変わったために収益が低下したのであれば、クリック率が低下している可能性が高いです。
そして他にも、クリック率もCPCも変化している場合、読者に読まれる主な記事のテーマやジャンルが変わったのかもしれません。主に読まれるジャンルが変われば、読者の層も広告単価も大きく変化しているでしょう。
難しいのが、ブログのレイアウトを変更したり、広告の配置を変更したことが原因だった場合です。レイアウト変更によってクリック率が下がることもあれば、広告単価が変わることもあります(AdSense広告は基本的に高い位置にあるほどCPCが高くなるため)し、両方とも変化する場合があります。ブログのレイアウト変更直後は慎重にデータの動きを見ることが重要です。
ちなみに私の場合、4月になってもクリック率に影響はありませんでした。つまり、私の収益効率が下がった原因は広告単価が下がった事が原因かもしれません。この場合、時期的なものですので、私にはどうしようもありません。
このように、クリック率とCPCを見るだけでも大きく分析の仕方が変わるので、合計収益額やアクセス数と合わせて注意しておくことをお勧めします。
どのSNS経由でバズったか?
ツイッター、Facebook、はてなブックマークと色々なSNSがあると思いますが、どのSNS経由であなたの記事は拡散されましたか?(はてブはSNSではなくソーシャルブックマークですが、ここでは同一に話をします)
よく言われるのは、「はてブ経由でバズると収益効率は悪い」という話です。はてブユーザーはクリック広告をほとんど踏んでくれません。つまり、クリック率が大幅に低下します。別に、ユーザーの自由ですから良い/悪いではないんですけどね。
ですが、Facebookなどでバズった場合は全く話が変わります。個人的な体験ですが、2000近くシェアされたときは諭吉さん4人分ぐらいが手元に残りました。はてブはせいぜい60程度、ツイッターは200ツイート程度の記事ですが、クリック率はわずかに低下しただけでした。
このように、バズる媒体しだいで収益効率は大きく変わるので「バズ=収益に繋がらない」という考えは危険です。
一方で、はてブは直接的な収益にはつながりにくいですが、拡散されればされるほどSEOにおいて有利になります。これはツイッターやFacebookでのバズには無いメリットです(ツイッターのバズは、トゥギャッターなどのソーシャルブックマークにまとめられやすくなりますが、それはまた別のお話)。
ですので、バズは媒体によって大きくその意味が違います。主に、どのSNSでバズったのかに注意しておくとよいでしょう。
成果報酬広告の収益はどうなっていたか?
最後に注意すべき点は、AdSenseなどのクリック広告と合わせてAmazonアソシエイトやA8.netなどの成果報酬広告(アフィリエイト)の収益はどうなっていたかという点です。
単純な話、AdSenseで収益効率が悪くてもアフィリエイトで大きな収益を出せていれば、全く問題はないどころか収益としてはむしろプラスになるでしょう。逆に、クリック報酬の成果が上がっていても、アフィリエイト報酬が一切上がっていないのだとしたらそれはそれで問題です。
どちらに焦点を当てるかは個々人の目標次第だと思いますが、1つの広告成果だけに縛られない考え方は重要です。
まとめ
今回は、収益効率を上げるための方法ではなく、「収益が下がった時の問題発見の仕方・考え方」について触れました。問題分析のポイントは以下の3つです。
1. CPCとクリック率はどうなっているか?
2. どのSNS経由でバズったか?
3. 成果報酬広告との兼ね合いはどうなっているか?
収益アップの仕方だけでなく、問題発見をできるかどうかも大きく合計収益に影響してくるので、改めて自分のレポート画面としっかり向き合ってみると良いでしょう。
参考文献:できる100ワザ Google AdSense 必ず結果が出る新・ネット広告運用術