年末年始の飲食店は儲かるのか?やめるべきなのか?飲食店オーナーがお正月営業を改めて見直してみる

昔は、31日の年末から3が日ぐらいまでにかけては、近所のお店もスーパーも営業なんてほとんどしていませんでした。

 

むかし、と言ってもほんの十数年前ぐらいのお話です。

 

ただ、最近ではコンビニがあり、24時間営業のスーパーや飲食チェーン店がありと、よほどの田舎でもない限り、「お正月に営業しているお店を探すのは難しくなくなってきた」ように思います。

 

さて、そんななかで経営者としては気になるのが「正月の三が日に営業したとして、売上は上がるのか?」「お店にどんな影響があるのか?」です。

 

正月なんて、もちろん誰でも働きたくありません。

 

それどころか、食品の卸業者も休みなのでロクな食材も入ってきませんし、在庫管理も大変になります。そんなお正月にわざわざお店を開けるということは、よほど"店を開けるだけのなにか"があるはずです。

 

そこで、今年はスタッフに協力してもらい、試しに年末年始にカフェを営業してみることにしました。

 

f:id:nyarumeku:20180106201510j:plain

 

お正月の売上は通常時の……?

まず、一番気になるのは年末年始の売上。今回は、住宅街のなかにあるカフェで1月31日~1月3日まで営業し、どのぐらい売り上げが上がるのかを検証してみました。

 

スタッフの人数もメニューも通常時とは変えていません(※むしろメニューは仕入れの都合で減らしています)。

 

そんな通常営業のカフェの売上ですが、正月だからと言って、通常時に比べて売り上げが上がったりするのでしょうか?

 

結論から言えば、お正月は通常時の平日の3倍、休日の2倍程度の売上がありました。

 

特に、年末の夜10時から年始の閉店時間までは、開けていればお客さんが入ってくる状態。家族連れや友達同士での来店がかなり多かったです。

 

「年越しを家の外で過ごす人ってこんなに多かったんだな」と改めて実感しました。

 

年越しは家でゆっくり引きこもり勢の私からすれば、信じられないレベルの来客。みんな『ガキつか』や『紅白歌合戦』を見ている時代じゃないんですね。

 

ちなみに、特に多かったのが年越し~元旦にかけてというだけで、三が日はどれも平均的に売り上げが多かったです。正月に、お店を開けたくなる気持ちが分かりますよね。

 

飲食店の年越し営業はやめるべきか?

ただ、チェーンレストランのロイヤルホストが「お正月の営業をやめる」と発表したように、近年は「サービス業もお正月は休んだほうがいい」という声が大きくなってきました。

 

 

こういう世のなかの状況を踏まえて、今回協力してくれるスタッフを募集したときにも、「年末年始は出勤できるか?」という質問と「年末年始に出勤してみたいか?」という質問も(極力強制には聞こえないよう)したうえで、参加したいと言ってくれたスタッフにだけ声をかけています。

 

もちろん、正月出勤をしなかったからと言って、なんのペナルティを課すこともありません。

 

そこまでしてでも正月営業をやってみたかったのは、「サービス業の正月営業が当たり前になり、むしろ批判され始めた今だからこそ、きちんと正月営業について自分の経験をもとに見直したい」と考えたからです。

 

実際、年末年始にあれだけ多くのお客様がいらっしゃるとは思ってもいませんでしたし、年越しの瞬間に、自然とお客様たちのなかでカウントダウンが始まり、年を越したときにみんなで「明けましておめでとうございます」と言いあう"お客様との一体感"を感じられる瞬間もまったく知らなかったものでした。

 

普段は作らないような豪勢なまかないを作ってみたり、お客様からの年越しの差し入れを味わったり、個人の飲食店の年越しは、ただ売上につながるだけでなく、普段とは違う"ふれあい"体験ができる場だなと実感したのです。

 

参加したスタッフはもちろん、出勤しなかったスタッフのなかにも「年越しはみんな楽しかったみたいですね!私も出勤したかったなぁ」という声がちらほらありました。

 

お正月営業は悪か?

今の世の中は、スーパーもチェーンの飲食店も、「個人店でさえ年末年始に営業するのは珍しくない」時代になりました。

 

だからこそ、「正月も働かせるなんてとんでもない!」という声が上がってきたのでしょう。

 

もちろん、わたしも"スタッフの都合を一切無視した正月営業"や"正月営業をすることありきでスタッフの事情や希望は考慮しない"という考え方は好きではありません。

 

ただ、今回年末年始に営業してみてわかったのは、お客様だけでなく働く人たちの側にも、「年末年始になにもしないぐらいなら、お客様や気心の知れたメンバーと一緒の時間を楽しく過ごしたい」と考える人がいることです。

 

若手スタッフメインのカフェだからこそかもしれませんが、「正月営業が悪」なのではなく、「正月に限らず、スタッフが楽しく働けない店づくりが悪い」だけなのだと実感。

 

来年の年越しもまたカフェを営業するかは未定ですが、またスタッフのほうから「出勤できるし、年越し営業に興味がある」という声があれば、ぜひやりたいなと思っているところです。