経営をするのに名刺は不要か?事業によるけど、業界によっては必須です

ときどき、数年に一度ぐらいのスパンでネット上では「名刺不要論」が持ち上がります。

 

いまやFacebookや自社ホームページなど、名刺に代わる自己紹介ツールが増えているので、名刺は必要ないというのです。

 

確かに、ママ友名刺や学生の就活名刺など、「本当に名刺が必要なの?」と思えるような人たちにまで名刺の文化が広まっていることは事実です。わたしも就活生から名刺をもらってもどうしようもないですし、活用できたことがありません。

 

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ただ、こうした名刺偏重文化がある一方で、ビジネスシーンにはいまだ名刺は必要性の高いものであることは変わりません。

 

そこで今回は、いくつかの業種を経験してきた経営者としての立場から、名刺の必要性や特に名刺の必要性が高い業種などについてお話したいと思います。

 

飲食店経営なら名刺は必須!

断言していいですが、飲食店経営者、特に多店舗経営を目指すなら名刺は必須です。飲食店は、明らかにほかの業種よりも名刺をやり取りする機会が多いからです(そのぶん不要な名刺も多いですが)。

 

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ひょっとすると、ほんとうにごく小さな地域の商圏で1店舗で飲食店を経営をしていくなら、名刺は不要かもしれません。

 

ですが、多少でも多店舗経営をしていくとか、事業にかかわる人が多い飲食店なら、確実に名刺は必須になります。

 

たとえば、名刺がいるのはこんなシーン。

 

1. 法人用銀行口座の開設にあたって事業があることを証明するため

2. 卸売りの展示会であとで連絡してもらうため、もしくは入場するため

3. お店の場所をお客様に案内するため

 

特に重要なのが、「卸売り用の飲食店向け展示会や起業者向け展示会では、名刺を渡して相手企業のあいさつを待つ必要がある」ということ。展示会によっては、名刺を忘れると展示会に入場できないということすらあります。

 

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展示会に行ったことがある人ならわかりますが、展示会ではその場で商談が始まるわけではありません。多少の問い合わせや、商品を扱いたいといった連絡程度ならその場で交わしますが、具体的な契約などは"またのちほど"です。

 

万が一、名刺を持っていなくても入場もできますし、あいさつもできますが、いろいろな展示品を見て回るには非効率極まりないうえに、「ちゃんとした事業所でない」ということで相手にされないこともあります。

 

小さな飲食店レベルなら展示会に参加したり呼ばれたりすることも少ないので、非常に小規模にやっていきたいなら問題ありませんが、ある程度の事業規模を目指すなら飲食店経営者に名刺は必須です。

 

また、BtoB系の事業者や企業を相手にすることが多い業種も、こういったジャンルはなによりフォーマットが大事なので、「名刺がない」「名刺を忘れた」と言うと、嫌な顔をされます。こうした業種も名刺は持っておいたほうが無難です。

 

Webライターやネットショッピングのような事業は不要かも?

こうした名刺の重要性がとても高い業種もある一方で、Webライターやネットショッピングサイトの運営など、対人的な付き合いが薄くても経営できる事業は名刺の重要性が低いです。

 

わたしも以前はWebライターをやっていましたが、その時には紙の名刺なんかよりも、自分で運営しているブログやサイトのほうが名刺代わりとしてよく使われることが多かったです。

 

それどころか、外注の副業ライターレベルだと、"ハンドルネームはお互いに知っていても、本名は知らない"なんてことも。こうした業種であれば、確かに名刺の必要性は薄いかもしれません。

 

ただ、たとえこうしたIT系、一人で黙々と作業をするタイプの業種でも、事業拡大を考えた瞬間に、とたんに名刺の重要性は高まります

 

ネットショッピングなら、メーカーや卸売り業者との新規取引挨拶や融資の申請など、今まで1人でやれていたことに対し、様々な人との付き合いが増えるので、名刺は必要ないなんてことは言えません。

 

新規取引相手に「Facebookで調べれば私のことなんてわかるから」なんて絶対に言えないですしね。

 

要は、どんな業種でも非常に小規模なレベル、あるいはいっそもう自分があいさつをしなくても相手からあいさつをしにきてくれるほど有名なレベルであれば、名刺はいらないかもしれませんが、これから事業を拡大していきたい人には必要と言っていいでしょう。

 

将来的に名刺はなくなってもいい、あるいはもっと便利な文化や効率的な手段が出てきてくれればいいとは思いますが、今現在の日本では「名刺は不要」「名刺は必要ない」というのは極端な側の意見だと言っていいでしょう。

 

余談:ホリエモンの名刺不要論について

余談ですが、ホリエモンも数年前に「名刺は不要だ」という記事を書いているんですが、彼の名刺不要論は面白い点があって、名刺についてはご本人もこう書いているんですよね。

 

名刺を頂いても二度と連絡しない人のほうが多いのに、置き場所に困る名刺を大量にもらっている。大量に名刺を持っている人はファイリング装置などを買って机の上に飾ってあるが、数年に一回程度しか結局使わないのである。

 

そんなことを考えてるうちに、名刺は面倒くさいだけの時代遅れのツールなんだという思いが強くなって、名刺交換そのものの必要性に懐疑的になってくる。となれば、名刺を持つことも交換することも不要で、フェイスブックさえあれば十分なのではないかという確信めいた気持ちが芽生えてくるのだ。

出典:https://dot.asahi.com/news/domestic/2013051000038.html

 

少なくとも、数年に1回は役立っているものを不要と断言するのって難しいですよね。ビジネスチャンスはきちんと生んでいるわけですから。

 

実は、「名刺を不要」と言っている人たちも、意識していないだけで名刺の恩恵を無意識に預かっているのかもしれません。もっと効率的な手段があればというのは同意しますけどね。