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心理学でブログを書こう②―なぜブログには見出しを付けた方が良いのか?―

ブログの記事には一般的に“見出し”と呼ばれるものをつけることが推奨されます。この見出しは記事のタイトルと同様に、SEO的な働き、つまり見出しに使ったキーワードの方が本文のキーワードよりも重要度が高いと認識されるという見解が一般的です。

 

ただ、これはあくまでシステム面への対策のお話です。それでは、タイトルや見出しには読者に対して何の効果も発揮しないのでしょうか。今回は、タイトルや見出しの学問的意味についてお話していきたいと思います。

 

タイトルと見出しは何を話すかを伝える

“タイトル詐欺”という言葉があります。これはタイトルで話していることと、本文に書いてあることが違う時、あるいはタイトルで期待される内容が本文に書いてなかったときによく使われる言葉です。

 

このことから、タイトルは本文の理解とかなり密接に関わっており、読者もタイトルを手がかりにして、本文を読んでいることがうかがえます。

 

このように、タイトルは「その記事が何を話しているか」を伝えてくれます。そして、見出しはさらに細かく「その章が何を話しているか」を伝えてくれます。

 

こうしてみると、ブログやサイトのタイトル・見出しは心理学用語で言うところの「スキーマを活性化させる役割」を持っているといえます。

 

スキーマの活性化と文章理解

スキーマとは一体なんでしょうか。その話をする前に、以下の文章を読んで、一体何の話をしているかを考えてみて下さい。

 

新聞の方が雑誌よりいい。街中より海岸の方が場所としていい。最初は歩くより走る方がいい。何度もトライしなくてはならないだろう。ちょっとしたコツがいるが、つかむのは易しい。

小さな子どもでも楽しめる。一度成功すると面倒は少ない。鳥が近づきすぎることはめったにない。ただ、雨はすぐしみ込む。多すぎる人がこれをいっせいにやると面倒がおきうる。

ひとつについてかなりのスペースがいる。面倒がなければ、のどかなものである。石はアンカーがわりに使える。ゆるんでものがとれたりすると、それで終わりである。

出典:わかったつもり?読解力がつかない本当の原因? (光文社新書)

 

何の話か想像できましたか?

 

これは「凧を空に揚げる話」です。全く分からなかったという人は、「凧を空に揚げる話」であることを踏まえたうえで、改めて上の文章を読んでみて下さい。もし、凧揚げのやり方を知っている人なら、今度はちゃんと読めるはずです。

 

スキーマとは大ざっぱに言えば、“知識のまとまり”のことを指します。このスキーマを活性化させることによって、私たちは文章を理解したり、次に来る文章を予測出来たりするわけです。

 

先ほどの例で言えば、「凧を空に揚げる話」というスキーマが活性化したことによって、私たちの文章理解が促されたといってもいいでしょう。もちろん、凧の話はかなり極端ですが、普通の文章理解においても、スキーマと一致していると文章の処理速度が向上するとされています。

 

つまり、タイトルや見出しが上手くその記事やその章を表現できるものになっていれば、それがスキーマとして働き、読者の理解しやすさが向上するというわけです。

 

文章が苦手な人ほど見出しは重要

先ほどの例を見ても分かるように、文章があいまいなことを書いているほど、スキーマは文章の理解に対して大きな影響力を持っています。

 

一般的に、文章が上手い人やブログ慣れしている人の方がタイトルや見出しへのこだわりを見せますが、本来なら文章に自信が無い人ほどタイトルや見出しにはこだわらなければいけないわけです。

 

もちろん、ブログの場合はアクセス数を得るために、キャッチ―なタイトルや見出しを付けることも求められます。それが行き過ぎると、先ほどご紹介した“タイトル詐欺”と呼ばれるような事態に繋がってしまうのでしょう。

 

ですが、少なくとも個人ブログでタイトル詐欺を繰り返すようなブログは信用されませんし、ファンがつきにくくなります。これは大きなデメリットです。

 

分かりやすさとキャッチ―さのバランスはブログを運営する以上常に求められ続けます。ですが、スキーマという概念を理解した上でなら、最低限残すべきキーワードや表現を選び、どの部分をアレンジしてもいいのかというバランスを考えやすいはずです。

 

雑記ブログのようなブログだと見出しを入れることは難しいかもしれませんが、何らかの有用性をアピールしたりツール、商品の紹介を主なテーマにするブログであれば、タイトルや見出しの人間に対する効果を意識しておくことは重要だと言えるでしょう。

 

文章表現だけではなく、それをまとめる見出しやタイトルの付け方に今一度注目してみてはいかがでしょうか。

 

わかったつもり?読解力がつかない本当の原因? (光文社新書)

わかったつもり?読解力がつかない本当の原因? (光文社新書)