一番好きなことは収入源にしなくてもいいよという話

「好きなことで食べていく」

 

本当に耳触りの良い言葉ですが、この言葉を実践できるのは非常に少数の人間だけであり、大多数の人間はこの言葉通りに生きていくことはできません。今回は、その理由についてお話しながら、それでは一体どうすればいいのかという話をしていきたいと思います。

 

お金が絡むと嫌いになる

とある面白い実験があります。その実験では、まず子供たちが熱心に遊んでいる遊びに対して、子供たちが一定以上の成績を出したら報酬を上げるようにします。さて、この状態で子供たちに報酬を上げるのをやめてしまったら、子供たちはそれでもまだ遊び続けるでしょうか。

 

実験の結果、子供たちは報酬がもらえなくなった途端、それまで熱心に楽しんでいた遊びをやめてしまいました。一方、特に報酬も何も出さず、子供たちを遊ばせ続けた条件では、変わらず子供たちは遊びを続けていました。

 

これは"内発的動機づけ”と“外発的動機づけ”という2つの動機づけが、お互いに影響を与えながら働いていることを示した重要な心理学の実験の一つです。

 

つまり、私たちはもともと好きでやっていたこと(内発的動機づけ)に対して、報酬や名声など外的報酬がもらえる(外発的動機づけ)ようになると、その対象に対してもともと持っていた興味や好奇心が薄れてしまうのです。そのため、もともと好きでやっていたはずのことなのに、報酬が無ければ動かない人間になってしまうのだといえます。

 

好きなことで生きられるのは少数派

この話のもっとも重要なポイントは、大多数の人間は「好きなことで食べる」ことはできないということです。逆説的になりますが、私たちは好きなことで食べるようになると、好きなことを好きでなくなってしまいます。

 

もちろん、いつまでも好きでい続けられる“才能”を持った少数の人間もいます。ですが、あくまでそれは統計的に見れば小数の人間でしかありません。大多数の人間は、お金や他人の評価をもらうと、好きであったものを好きでなくなってしまうのです。

 

私にも似たような経験があります。私は箱庭ゲームが大好きだったのですが、箱庭ゲームでブログの記事を書くためにと、ゲームのやり方に効率を求めたり、日を空けずゲームをやり続けてきた結果、ゲームをやることすら嫌になってしまいました。

 

ブロガーやユーチューバーの言葉がうそだとは言いません。彼らは本当に少数派の人間なのかもしれません。ですが、大多数の人間は、好きでないことで食っていくしかないということは意識したほうが良いのでしょう。

 

好きなこととできることと切り分ける

その際、大事なことは“好きなこと”と、“自分のできること”を切り分けて考えることです。「あまり積極的にはやりたくないが、これならできる」という事は誰でも一つは持っているものでしょう。そうした、自分に出来ることを着々とこなしていくのが一つの対処法といえるのではないでしょうか。

 

繰り返しになりますが、ブロガーやユーチューバーの言葉がうそだと言っているわけではありません。ですが、確かに大多数の人間にとっては、彼らの言葉が必ずしも有益とは限らないのも事実です。

 

仕事は仕事、人生の楽しみは楽しみと切り分けて考えることが決して彼らに劣っているわけではありません。ノマドワークやフリーランスという生き方が推奨されるような時代が誰にとっても幸せなわけではないのです。

 

逆に、お金のためにと嫌々続けていたことを好きになってしまうことさえ人間にはあります。とりあえず自分にできることを一つずつこなしていくこと、それが何をおいても一番大事なことなのではないでしょうか。

 

追記

「凡人は夢を追うなという話か」と指摘がありましたが、それは誤解です。本文でも、「大多数の人間は、好きでないことで食っていくしかないということは“意識したほうが良い”」としか書いていません。

 

あくまで、今回のメッセージの本意は、夢を追ってもその先が無かったときの考え方の一つの提案です。これが絶対的な正解として押し付けているわけではありません。そのように読みやすいよう少し修正を加えました。ご了承ください。

 

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