アフィリエイト広告の配信とネットリテラシーの関連

ネットを見ていると、時々気になる表現に出くわすことがあります。最近何度か目にしたものとしては以下の文言などが該当します。

 

「読者はあなたが思っているよりもネットリテラシーが高いので、広告は目立たないように配置する必要がある」「IT・マーケティング分野の読者はネットリテラシーが高く広告がクリックされにくいため違う分野をお勧めする」

 

皆さんは、この表現について何か違和感を持たれないでしょうか。

 

私は、この表現を読んで、「アフィリエイトはネットリテラシーが高いと避けられるべきものなのか?そしてアフィリエイターは広告だと分からないようにすることが読者に配慮することなのか?」と感じました。

 

そこで今回は、ネットリテラシーの定義などから、この表現の違和感について明らかにしていきたいと思います。

 

ネットリテラシーとは?

そもそもネットリテラシー(インターネットリテラシー)とはなんでしょうか。総務省の調査によると、以下の項目によって測られたものがネットリテラシーであるとされるようです。

 

1.インターネット上の違法コンテンツ、有害コンテンツに適切に対処できる能力
a.違法コンテンツの問題を理解し、適切に対処できる。
b.有害コンテンツの問題を理解し、適切に対処できる。
2.インターネット上で適切にコミュニケーションできる能力
a.情報を読み取り、適切にコミュニケーションできる。
b.電子商取引の問題を理解し、適切に対処できる。
c.利用料金や時間の浪費に配慮して利用できる。
3.プライバシー保護や適切なセキュリティ対策ができる能力
a.プライバシー保護を図り利用できる。
b.適切なセキュリティ対策を講じて利用できる。

出典:平成26年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等

 

さて、これを踏まえた上で「アフィリエイト広告だと分かると、それを避けること」は一体どの項目に該当するのでしょうか。

 

アフィリエイトの利用にネットリテラシーは必要か?

アフィリエイトは有害コンテンツ?

アフィリエイトそのものが違法コンテンツか、あるいは有害コンテンツかと言えば、ノーです。アフィリエイトに似た仕組みは社会でも一般的に利用されていますし、それ以上に広告から商品を購入したからと言って、読者に何らかの直接的な不利益があるわけでもありません。

 

もちろん、アフィリエイトを宣伝する人間の中に詐欺行為などをする人間がいることは確かですが、アフィリエイト広告から商品を購入・サービスを利用すること自体が違法であるとか、有害であるわけではありません。

 

アフィリエイトが“儲かる”と言う人間を信じてはいけない

 

というより、もしアフィリエイトを使うことで読者に直接的な害があると考えるなら、即刻アフィリエイト広告自体を外すべきででしょう。

 

プライバシー保護との関連

ただし、広告表示システムの中にはインタレストマッチ、行動ターゲティングといったように、ユーザーの属性や興味をある程度推定した上で配信される広告が存在します。代表的なものはGoogle AdSenseなどでしょうか。

 

こうした広告によって、どんな属性(性別や年齢etc……)を持つユーザーがその広告をクリックしたのかなどが広告主に推定されうる可能性は否定できません。個人の特定に至ることはないとされていますが、プライバシーの保護を図って広告を避けるというのは1つの選択肢だと思います。

 

ターゲティング広告とプライバシー保護の関連に関しては、私がお話したことを含めて以下の記事が興味深い考察をしているので、興味のある方は参照してみてください。

 

サードパーティCookieの歴史と現状 Part3 広告における利用、トラッキング、ターゲティング広告におけるプライバシーリスク

 

このように、「個人の属性を推測(“個人を特定”ではない)されるのを避けたい」という意味でネットリテラシー(プライバシー意識)の高い読者がアフィリエイト広告を発見し、それを避けたくなる気持ちは分からなくもありません。

 

広告を目立たないように配置するのはなぜか?

さて、ここで改めてアフィリエイターたちがよく使う、「ネットリテラシーが高いユーザーには目立たない広告を配置する」あるいは「ネットリテラシーが高いユーザーが多い分野の広告は使わない」という表現を見てみましょう。

 

ひょっとすると、皆さんの中にも私と同じような違和感を持たれた方がいらっしゃるかもしれません。

 

おそらく、こういった表現を使う方は、ネットリテラシーという言葉を「ネットに関する親しみ・知識が深い」という程度に使われているのかもしれません。

 

ただ、改めてネットリテラシーの定義を参照すると、上の表現が持つ意味はかなりネガティブなものに聞こえてきます。たとえば後者に関しては、「プライバシー意識の低いユーザーをターゲットにしよう」とでも言いましょうか。

 

少なくとも、広告を配信している側が公の場で使う言葉としては適切なものではないように思います。何気なく使っている表現ではありますが、改めてこういった表現について見なおしてみるのも良いかもしれません。